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第13回 2006年オリーブの収穫始まる


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第13回 2006年オリーブの収穫始まる

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第13回 2006年オリーブの収穫始まる

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11月、イタリア スペインでは、いよいよオリーブの収穫時期を迎えました。昨年は冬場の少雨、夏場の高温、乾燥により、世界最大のオリーブ産地であるスペインアンダルシア地方のオリーブが壊滅的な打撃を受け、世界のオリーブオイルの需給バランスや価格に深刻な影響をもたらした。さて今年の実り具合はいかがでしょうか?

   

イタリアに恵みの雨が降る!

2006年9月下旬、BOSCOのふるさと、南イタリアのプーリア州は、空にはどんよりと重い雲が立ち込め、現地時間25日の午後からついに支えきれなくなったように雨が降り始めました。翌26日は朝からバケツをひっくり返したような大雨。見る見るうちに、オリーブの畑は海のように水浸しとなり、道路には川ができたような状態です。翌日27日も大雨。この大雨は、イタリア国内でも全国ネットでニュースが流れるほどでした。

今年、イタリアは、生態サイクルから見ると表作の年(実つきの良い年)です。「なのに、こんなに雨が降ってしまったら、オリーブの収穫に悪い影響を与えてしまうのでは」と心配になりました。ですが、私の心配をよそに現地の方々は皆一様に涼しい顔。これには理由があったのです。南イタリアでのオリーブの収穫が始まるのは10月下旬から。収穫を始める直前までは、オリーブの実をじっくりと太らせる「熟成」期間だったのです。ですから、この時期の雨はオリーブの実に栄養を与え、より品質が良くなる「恵みの雨」となるので、むしろこの大雨は大歓迎ということでした。

   
鈴木俊久
鈴木俊久 プロフィール

2002年11月に日本ではじめて国際オリーブオイル協会(International Olive OilCouncil:IOOC)からオリーブ・オイル・テイスティング・パネルのカンパニーパネルとして認定を受けた。国際オリーブオイル協会とは、スペイン・マドリッドに本部を置き、 国際取引基準の策定、技術協力、生産プロセスの改善、品質の保護・改善、知識普及、モニター調査、国際協力体制の強化などを実施している団体。加盟国は、イタリア、スペイン、ギリシャ等のEU諸国の他、アルジェリア、クロアチア、エジプト、イスラエル、ヨルダン、レバノン、リビア、シリア、チュニジア、イラン、モロッコ、セルビア-モンテネグロの国々。


この雨が私の訪問と重なったこともあり、「Grazie per aver portato la pioggia provvidenziale!」(恵みの雨を連れて来てくれてありがとう!)と感謝されるほどでした。しかしながら、「この大雨では、州内を移動するには水陸両用車と水着が必要」と言われ、予定していたオリーブ農園の視察や農家の方とのミーティングのスケジュール変更を余儀なくされたのは非常に残念でした。
雨も時期がずれてしまうと逆効果となります。収穫が始まる時期や長雨はオリーブ果実の品質を悪くしてしまいます。帰国後、収穫が始まった時の写真を見る限りその心配は無いようですね。恵みの雨に感謝するとともに、「良い出来ばえ」のBOSCOエキストラバージンオリーブオイルを期待しましょう。

聖ソフィア大聖堂(イスタンブール)に展示されている巨大なオリーブオイルを入れる壷 聖ソフィア大聖堂(イスタンブール)に展示されている巨大なオリーブオイルを入れる壷
▲ 2006年10月下旬 プーリア州のオリーブ畑 ▲ 今年は表作にあたります。恵みの雨のおかげて
  じっくり太ったオリーブ果実

 

スペインはHot&Dry

なんといっても、スペイン アンダルシア地方の収穫の良し悪しで、オリーブオイルの需給バランス、ひいては価格に大きな影響を及ぼします。

今年、スペインは、生態サイクルから見ると裏作年(実付きの良くない年)に当たりますが、実の付き具合は良好のようで、裏作の年ながらオリーブオイルの生産量は120万トンの予測が出ている模様です。昨年報じられたような気候的な悪影響は今のところ見られないとのことでした。

スペインアンダルシア地方は地図を広げていただければおわかりのように、イベリア半島の南部で、北アフリカと対峙しているところに位置しています。夏場は気温が40℃を超えることも珍しくなく、「ヨーロッパのフライパン」と呼ばれています。10月初旬でもアンダルシア地方は30℃前後で、雨が少ない状況でしたので、収穫が始まる11月中旬までの間に雨が降ることが望ましい状態で、逆にこのHot&Dryが続くと120万トンの予測が修正されるであろうというのが現地の方の見方です。
この時期にスペインへ行かれる方、ぜひとも「恵みの雨」をプレゼントしてあげてください!!


 

スペイン農業に変化のきざし

今回のスペイン訪問で、まず驚いたのは、今まで休耕地だった土地や、ひまわりなど別の作物が栽培されていた土地が、どんどんオリーブ畑に替わっていることです。マドリッドからアンダルシア地方までの移動手段はスペインの新幹線と言われる「AVE」。車窓から見える風景は、5年前とは大きく変化していました。これはEUの減反政策の影響を受け、今までスペインで生産されていたヒマワリや小麦がフランス、ドイツに集中し、スペインではそれらの土地をオリーブ畑に転換する農家増えているからです。また、年間を通して日照時間が短いフランス北部やドイツなどEU北部で暮らしていて定年を迎えた、ある程度の財力を持つ人々が、太陽を求めてアンダルシア地方に移り住みオリーブ畑を購入。老後の生活をオリーブ栽培ですごそうというスタイルが流行していることもあるようです。実際にアンダルシア地方の都市、コルドバの土地価格は急上昇しているとのこと。

EU内での人の移動や貿易の自由化により、各国が得意な分野で活躍するという効率的な政策や、域内でのお金の移動による経済の活性化が図られると、既に人口ではアメリカを上回っているEUが世界経済の中で発揮する影響力はますます大きくなりそうです。



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