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第11回 オリーブの品種いろいろ〜世界の二大生産地スペイン・イタリア編


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第11回 オリーブの品種いろいろ〜世界の二大生産地スペイン・イタリア編

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オリーブオイルの個性を形づくるオリーブの品種

カベルネ・ソービニョン、ピノ・ノワール、メルロー、シャルドネ…これらは皆さんよくご存知のワイン用ブドウ品種ですね。ワインのようにオリーブの品種も生産国や地域によって大変にバラエティに富み、生産されるオリーブオイルの個性を形づくる重要な要素になっています。単一で個性を発揮するもの、ブレンドによる味のハーモニーで魅力を醸し出すもの、生産地の食材と抜群の相性を見せるもの……なんだか我々人間の個性に通じるものを感じますよね。
このオリーブの品種は果実を見ただけでは、それが何という品種か判らないことも多いのです。粒の形状、例えば、丸っこい形とかやや細長いとか、先端が尖っている、などといった特徴は品種判断の重要な情報になりますが、やはり実のなり方や、葉の形、さらには種を調べないと品種の判断がつかないケースがほとんどです。

   

スペイン編〜アンダルシアに広がるプランテーション
素朴で実直な味わいに魅力あり

オリーブオイルの生産量で世界一に君臨するのがスペイン。特にアンダルシア地方はオリーブのプランテーション栽培に積極的に取組み、赤茶色の大地に一定間隔で植えられたオリーブの木が延延と連なる光景には見る者だれしもが圧倒されます。
ところでアンダルシア地方というと皆さんは何を思い浮かべますか?もちろん「フラメンコ」も重要な文化のひとつですが、彼らの最も誇りとするところは「ブルファイト」、そう、闘牛(TOROS)なのです。彼らの闘牛に対する思い入れは物凄く、有名闘牛士(TORERO)は彼らの憧れの的です。アンダルシア地方のオリーブオイルにも彼らの気性が乗り移り(?)、非常に素朴で実直な感じがします。

   
鈴木俊久
鈴木俊久 プロフィール

2002年11月に日本ではじめて国際オリーブオイル協会(International Olive OilCouncil:IOOC)からオリーブ・オイル・テイスティング・パネルのカンパニーパネルとして認定を受けた。国際オリーブオイル協会とは、スペイン・マドリッドに本部を置き、 国際取引基準の策定、技術協力、生産プロセスの改善、品質の保護・改善、知識普及、モニター調査、国際協力体制の強化などを実施している団体。加盟国は、イタリア、スペイン、ギリシャ等のEU諸国の他、アルジェリア、クロアチア、エジプト、イスラエル、ヨルダン、レバノン、リビア、シリア、チュニジア、イラン、モロッコ、セルビア-モンテネグロの国々。

 

3大品種「ピクアル」「ピクード」「オヒブランカ」

スペインの全オリーブオイル生産量の8割以上を占めるアンダルシア地方ですが、実際にオリーブオイル生産用として栽培されている品種はそれほど多くありません。プランテーション拡大の際にはやはりこの地域での生産に適した品種が選択されるため、どうしても栽培品種は限定されがちです。「ピクアル」「ピクード」「オヒブランカ」の3大品種をはじめ、「レチン」「コルニカブラ」といったスペインの代表的な品種の多くがこの地方で栽培されています。
もちろん風味の個性は品種によって異なります。実の含油量が多く、辛味、苦味が強めの「ピクアル」は保存安定性も良好で、フルーティな風味の「ピクード」などとブレンドされて用いられています。一方、これらに比べるとマイルドで甘い感じの香りの「オヒブランカ」はブレンドだけでなく単品でも利用されます。ちなみにまだ若いうちに収穫された「ピクアル」はポリフェノール含量が高く、苦味、辛味が強すぎてとても食べられませんが、その香りは本当に青リンゴのようです。
アンダルシア地方以外の品種では、もともとカタルーニャ地方を主要産地としていた「アルベキーナ」が有名です。その青いトマトを彷彿するような素晴らしい風味が評価され、アンダルシア地方でも近年、生産量が増えています。 ちなみに、スペインの代表的な料理にガスパチョというトマトの冷製スープがありますが、ガスパチョにはなんと言ってもアンダルシアのオリーブオイルが一番合いますね!

スペイン アンダルシア地方 乾燥した大地に広がるオリーブ畑
▲ スペイン アンダルシア地方 乾燥した大地に広がるオリーブ畑

 

イタリア編〜南北に長い国土 品種が豊富で個性豊か

イタリアは日本と同じように南北に長い国土を持ち、地域によって気候がかなり異なります。また、ベネチア、ジェノバなどに代表される都市国家という歴史的背景による地域独立性の影響もあると思うのですが、イタリアのオリーブはなんといっても品種が豊富で、それが各地のオリーブオイルの個性を豊かなものにしています。イタリア北西部、地中海に面したリグーリア州の「タジャスカ」、中部のトスカーナ州やウンブリア州の「フラントーイオ」「モライオーロ」、さらに南のプーリア州やカラブリア州には「オリアローラ・バレーセ」「コラティナ」……ちょっと思い浮かべてみても、イタリアには実に多彩な顔ぶれが揃っていることに気づきます。

 

土地ごとの郷土料理が根付き、その料理に合ったオリーブオイルが選ばれる

 

保護指定地域表示(IGP)の認証を得ているボスコ・トスカーナのようにトスカーナ原産のオリーブオイルによく使われる「モライオーロ」は、辛みや苦みのある強い風味が特徴で、豆料理や肉料理との相性が抜群。またプーリア州の代表的品種の「オリアローラ・バレーセ」は、プーリア州都・バーリの北部、ビトント近辺でこの品種の特に良質なオイルが生産されています。トスカーナの品種に比べるとやや熟度の進んだ状態で収穫されることが多く、いかにもオリーブらしい風味でありながら同時にドルチェ(dolce)と表現される、ほのかに甘い味わいを醸し出します。またインペリアなどのリグーリア州海岸沿いの傾斜地でよく見かける代表品種「タジャスカ」は、非常に穏やかな味わいで、地元で水揚げされる魚介類料理によくマッチします。また、シチリアの品種「ビアンコリッラ」や「ノッチェラーラ」からは特徴的な香り立ちと素朴な味わいの良質なオリーブオイルが得られます。
最近、日本では料理の地方色がだいぶ薄れてしまいましたが、イタリアではまだまだ郷土料理の性格が強く残っています。ですから食材や料理との相性から地元のオイルへの愛着が強いのです。こだわったリストランテでは料理に合わせてその料理の地域のオリーブオイルを使っていますね!

イタリア プーリア州 アドリア海まで続くオリーブ畑
▲ イタリア プーリア州 アドリア海まで続くオリーブ畑


■イタリア一口メモ
2005年12月、南部バジリカータ州の「マテーラの洞窟住居」というユネスコの世界遺産を訪ねることができました。ここは決して交通の便の良いところではないのですが、日本人観光客の姿を結構多く見かけ、さらには遺跡の中ではカセットテープで日本語の解説を聞くこともでき、改めて日本人ツーリストのバイタリティーに驚かされました。

 
  次回は  
今後注目のトルコの品種についてご紹介します。
 



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